EV・新型車

BYD「ラッコ」214万円の軽EVが登場。EX30オーナーとして正直に思うこと。

2026年7月28日、BYDが日本専用の軽EV「ラッコ(RACCO)」を正式発表しました。価格は214万5000円〜249万7000円。EX30オーナーとして、この車について率直に思ったことを書きます。

まず「安い、すごい」という第一印象

スペックを見て最初に出た言葉が「安い、すごい」でした。

グレード価格航続距離
200214万5000円210km
300Plus239万8000円320km
300Premium249万7000円320km

EX30が479万円〜ということを考えると、最上位グレードでも約半額です。軽自動車規格でスーパートール車形・両側電動スライドドア・10.1インチタッチスクリーン・Apple CarPlay対応まで付いてこの価格は、コスパとして相当強いと思います。

売れそうな予感があります。

「ラッコ」って日本語のラッコ?

そうです、日本語の「ラッコ」そのままです。日本市場専用に開発されたモデルで、名前も日本向けに名付けられています。のんびりと水に浮かぶラッコのように、日常使いで気軽に乗れるEVというコンセプトが込められているようです。

ちなみにブランドアンバサダーは広瀬アリスさん。スペシャルサイトを見てマジか、ってなりました。本気で日本市場を取りに来ているな、という印象です。

BYDへの正直な気持ち

実はBYDに対して「受け入れがたい」という気持ちが正直あります。万博のEVバスに関するニュースなどもあって中国車へのイメージがあまり良くないから。

ただ、SEALIONなど最近のモデルを見ると普通にかっこいいし、価格も安い。街でBYDを見かける機会も増えてきていて、心が揺らいでいる部分もあるというのが本音です。

客観的に調べてみると、BYDの品質については「走行に支障をきたすような重大な故障率は他の主要メーカーと遜色ないレベルにまで向上している」という評価もあります。ただし「内装の細かな立て付けや異音といった感性品質の部分では差を感じる場面がある」とも。アフターサポートのネットワークがまだ薄い点は気になります。

「中国製=粗悪品」という認識はもはや古いのかもしれませんが、感情的に割り切れない部分があるのも正直なところです。

EX30オーナーとして買う可能性はあるか

買う可能性はゼロ。

理由はシンプルで、今EX30に乗っていて満足しているから。ラッコはあくまで軽自動車規格で、EX30とは用途もターゲットも違います。

ただ、市場への影響は大きいと思う

個人的に買う気はないですが、ラッコが日本のEV市場に与える影響は大きいと思っています。

軽自動車は日本の新車販売の約4割を占める巨大カテゴリーです。そこに214万円という価格でEVが登場することで、「EVは高い」という認識が変わる可能性があります。

日産サクラ(約243万円〜)と真正面からぶつかる価格帯で、しかも航続距離でも差別化してくる。国産軽EVメーカーへの圧力にもなるし、日本全体のEV普及を後押しする可能性もある。

EX30を選んだ自分は「EVは高くていい車」という方向性ですが、ラッコのような「EVを安く普及させる」という方向性も、業界全体にとっては必要なことだと思っています。

まとめ

  • BYDラッコ:214万5000円〜・航続距離最大320km・日本専用モデル
  • コスパは相当強く、売れる予感がある
  • BYDへの感情的な抵抗は正直まだある
  • 個人的に買う可能性はないが、日本のEV市場への影響は大きい
  • 「EVを安く普及させる」という意味で業界全体にはプラスになるはず

Xで話題になっている2つの視点

発表後、Xでもラッコが大きく話題になっていました。特に印象的だった2つの投稿を紹介します。

「車重1,230kgで64馬力を認識すべき」という指摘

タントより300kg重く、サクラより140kg重い車重に対して64馬力という数字を問題視する声が52万インプレッションと大きく拡散しました。

パワーウェイトレシオで計算するとこうなります。

車車重馬力1馬力あたりの重さ
BYDラッコ2001,230kg64PS19.2kg/PS
日産サクラ1,090kg47PS23.2kg/PS
タント930kg52PS17.9kg/PS
EX30 Ultra1,800kg272PS6.6kg/PS

ただ個人的には、この指摘はやや的外れだと思っています。ラッコのターゲットは保育園の送迎・買い物・近距離移動がメインの層です。そういう使い方では加速性能はほぼ関係ない。「静かで乗り心地がよければ十分」という層にとっては、むしろどうでもいい数字です。

「日本メーカーが先を越された」という冷静な視点

一方で、自動車業界関係者からは「両側スライドの軽EVはどの国内メーカーも出していない。先を越された」という冷静な指摘もありました。「BYDのバッテリーはリン酸リチウムイオンをベースにしており燃えづらい」という安全性への言及もありました。

両側電動スライドドアは地味にすごい

記事の最初に触れませんでしたが、ラッコの装備で一番ポイントが高いと思ったのが両側電動スライドドアです。

子育て世代にはわかると思いますが、スライドドアは日常の使い勝手を大きく変えます。

  • 狭い駐車場でもドアを全開にできる
  • 子どもが勝手に開けて隣の車にぶつける心配がない
  • 荷物を持ちながらでも電動で開けられる
  • 雨の日でも傘をさしながら乗り降りしやすい

しかもこれが両側電動で214万円。国産軽自動車では上位グレードにしかついていない装備です。加速性能よりも、この装備のほうが実際の購買動機として強く働くのではないかと思います。

子育て世代・保育園送迎層にとって、ラッコは相当刺さる一台かもしれません。自分は買いませんが(笑)。